『ど肝抜かれる』
ど肝抜かれた。
先日知人から借りたビデオテープを見終え巻き戻しにかかろうとした途端、
妙な映像と遭遇するはめになった。
「糞尿家族・ロビンソン」。
ヤツの趣味がスカトロだったとは・・・。
知ってはならない事実。未知の世界。密室の恐怖感。
同じニッポンのどこかでこんなイベントが開催されているなんて・・・・・。
ど肝抜かれた。
マニアの人には大変申し訳ないが、ボクはこの手のジャンルとレイプものは
どーも受け付けない度量 の狭い男である。
黄色い現物はおろか・・秋の銀杏並木の香りですら、
くらっとなる弱体質である。
よくこの季節、袋片手に銀杏の実をせっせと取っているオバ さんを見るだけでかなりのマニアだなぁと思ってしまう程。
それなのに・・なぜ?こんな地獄絵図をあえて・・・・・。
ボクには全く理解できない。 感動もなければ(当たり前か?)笑いもない。
どう対応していいのか?まったくわからない。
先ほど迄の我が心の師{黒澤 明}の感動ドキュメントの余韻も今はもうない。
確かに巨匠は豪語しておられた。 「大胆不敵の映像作家たれ!」と。
しかし・・・・大胆にも程がある。 「糞尿家族」って・・・。
「ロビンソン」って・・・・。
何?しとんねん!
何?映しとんねん!
何?食うとんねん!
何?盛り上がっとんねん!
なんで、レジャーシート敷かへんねん!
狙いはなんやねん?
しかし、世界のクロサワ相手にここ迄善戦するとは・・・・。
おそるべし「糞尿家族」。
サム・ライ・ミーを彷彿させる圧倒的な映像のパワー。
予想もできない編集の緩急。
所々で炸裂する「用心棒」なみの黄色いスプラッターの威力。
ど肝抜かれた。
「ど肝」「抜く」「ど肝」「抜かれる」この衝撃。このインパクト。
「ライブ」という密室空間で行われる「GIG」の本質とは、
多かれ少なかれ、こんな事なのかもしれないと・・・考えています。
多分、ボクはこのスカトロイベントが開催されている同じ時代、同じ日にち、同じ時間、地球上の何処かで息をしていたはずなんです。
でも、何の縁もなく、声もかからず、告知すら目にする事なく・・・
この衝撃を生で見る事も感じる事もできなかった・・・・・。
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